フリーランスは発達障害に向いている?障害者雇とどっちを選ぶべき?

フリーランス 向いている 発達障害と仕事

会社に馴染むのに苦労するケースが多い発達障害の人。

発達障害の人が無理なく働くには、障害者雇用の方が安心でしょう。

ただ、障害者雇用は「給料が安い」「やりがいがない」などのデメリットもあります。

一方、フリーランスで働く人の中には発達障害の特性を持つ人もいます。

発達障害の人に向いているのは、障害者雇用よりフリーランス?

フリーランスは、発達障害に向いている点と苦手が表面化する点を併せ持つ働き方です。

この記事では、フリーランスが発達障害に向いていないかどうかを徹底検証。

 さらに、発達障害の人がフリーランスで働く時の注意点なども詳しく説明します。

特性を活かして働きたい発達障害の人は、これを読よめば参考になるはずです。

 

発達障害に向いているが苦手も表面化するフリーランス

フリーランスは、発達障害に向いている点とネックになる点が共存する働き方です。

マイペースで働けるところは、フリーランスが発達障害に向いていると言えるでしょう。

一人で仕事ができるので、発達障害の人と定型発達の人が折り合う負担をかなり減らせます。

ただ、一人で何役もこなすフリーランスは、発達障害に向いていない仕事も避けられません。

自由度な反面、フリーランスはセーフティーネットから外れやすい働き方とも言えます。

病気やケガなどで働けなくなった時などは、会社員と比べて補償がありません。

フリーランスが発達障害に向いている点

発達障害を持つ人の中には、考えがあっちに行ったりこっちに行ったりする人が多いはずです。

考えがまとまりづらいなどのデメリットがある半面、創造性やアイデアを生み出す特性でもあります。

  • 人と違った見方やアイデアを活かせる
  • 発達障害の「こだわり」が専門性に化ける
  • 高い集中力で物事を成し遂げる
  • 注意散漫さから多彩な情報を得る
  • 衝動性が行動力につながる

など、発達障害の人にはフリーランスに向いている特性を持ち合わせています。

発達障害の中には、失敗もありつつ企業家として活躍している人が一定数いるのは事実でしょう。

発達障害に向いていない点

向いている点がありつつも、フリーランスは発達障害の弱点が表面化しやすい働き方でもあります。

  • 一人で幅広い仕事をこなす
  • 相手の要望をくみ取る力が必要
  • 臨機応変な対応を求められる
  • 営業やクライアントとの交渉も自身で行う
  • 先延ばしグセが出やすい
  • 発達障害への理解を求めるのが難しい

など、一人何役もこなすフリーランスの仕事は多岐にわたります。

面倒な手続きやお金の管理など、発達障害の人に向いていない仕事も避けられません。

フリーランスは、営業やクライアントとの交渉も自身で行います。

一人で仕事ができるフリーランスは、やるべきことを先延ばしにする悪いクセが出やすい環境。

フリーランスで仕事をもらうには、相手の要望をくみ取る力や臨機応変さも必要です。

また、クライアントには障害者雇用のような障害に配慮する義務はありません。

フリーランスの世界は、発達障害があっても定型発達の人と同じ働き方を求められます。

発達障害の人がフリーランスとして働くなら、苦手をカバーする何らかの工夫が必要です。

 

発達障害者がフリーランスで働くメリット

自宅にいながら、自分のペースで働けるフリーランス。

一人でできる仕事が多いので、発達障害の人が周りに合わせるストレスを減らせます。

発達障害の人がフリーランスで働くメリットは

  • 発達障害に向いている仕事がある
  • 発達障害に合わせた環境で働ける
  • 地方に住む発達障害者にもチャンスがある

など、向いている仕事や環境を選べる点。

そこで、発達障害とフリーランスの向き・不向きについて解説します。

発達障害に向いている仕事がある

エンジニアやクリエイターなど、一人でできる仕事が多いフリーランス。

シングルタスク中心の作業が多いので、発達障害の特性を活かせる仕事です。

単純作業が多い障害者雇用では、このような専門職の求人は数が限られます。

さらに障害者雇用では、「専門職は発達障害より身体障害の人を採用したい」という会社もまだ多いのが現実。

一方、フリーランスの世界では、障害の種類よりスキルや実績がモノを言います。

発達障害があっても、頑張り次第で仕事の幅を広げて収入を増やすことも可能です。

発達障害に合わせた環境で働ける

多くの人が働く職場では、発達障害の人が望む環境や働き方を100%実現できるとは限りません。

一人でできるフリーランスは、発達障害の特性に合わせた仕事や環境を選べます。

また、人の出入りが少ないフリーランスは、電話応対の負担もかなり減らせます。

電話対応による作業の中断は、発達障害の人にとっては仕事の大敵。

直前の作業を忘れてしまうので、ミスや集中力が途切れる原因にもなりえます。

変化に対応するのが苦手な発達障害の人は、フリーランスの方が働きやすいはずです。

地方に住む発達障害の人もチャンスがある

都会に集中しがちな障害者雇用の求人は、地方では数が少なく職種も限られます。

クリエイターやエンジニアといった発達障害の特性を活かせる仕事を見つけるのは大変です。

自宅でできる仕事が多いフリーランスは、地方に住む発達障害の人とって可能性が広がる働き方。

地方にいながら、発達障害の特性を活かす仕事を探すこともできます。

 

リスクもある発達障害者のフリーランス

会社に縛られないフリーランスは、自由な反面リスクもある働き方です。

発達障害の人がフリーランスで働くのは、次のようなリスクもはらんでいます。

  • セーフティーネットから外れがち
  • 発達障害の人が苦手な交渉力が必要
  • 一人で何役もこなす必要がある

フリーランスは守られない働き方

会社に雇われる従業員と違い、フリーランスは一人社長と同じ身分です。

労働基準法などに守られる従業員と違い、フリーランスは働く人を守る法律の対象外。

ケガや病気で働けなくなると、フリーランスは収入がゼロになることもあります。

自由な反面、セーフティーネットから外れやすい働き方とも言えるでしょう。

発達障害の人が苦手な交渉力が必要

一人で何役もこなすフリーランスは、契約や条件の交渉も自身で行うのが基本です。

発注者とトラブルになっても、対等に交渉するのが難しい場合が少なくありません。

相手方の都合で、急な仕事の打ち切りや報酬額を変えられるケースも見られます。

頑張り次第で収入UPも見込めますが、クライアントの都合に振り回されやすいのがフリーランスの現実。

フリーランスで安定した収入を得るには、難しい交渉を上手くまとめる力も必要です。

発達障害の人が苦手なタスクもある

一人社長とも言えるフリーランスは、本業以外のこまごまとした仕事がたくさんあります。

  • 仕事の段取りやスケジュール管理
  • お金の管理や税金の支払いなどの事務作業
  • クライアントの要望に応える臨機応変さ

など、発達障害の人が苦手なタスクもフリーランスの仕事に含まれます。

幅広くいろいろなことに注意を向けたり、臨機応変な対応を求められることも少なくありません。

発達障害の人がフリーランスとしてやっていくには、苦手なことを補う工夫やサポートが必要です。

 

フリーランスより障害者雇用の方が向いている?

雇用契約を結ばないフリーランスは、仕事が無くなれば収入もゼロ。

対して障害者雇用は、雇用契約を結ぶ働き方です。

真面目に働けば収入が無くなる心配がないのは、障害者雇用の大きなメリットです。

さらに、フルタイムで働けば障害者雇用でも社会保険に入れます。

病気やケガで働けないときの手当が出るのは、フリーランスでは得られない安心感です。

ただ、工夫次第で収入が上がるフリーランスと違い、障害者雇用は昇給しづらいのがデメリット。

フリーランスと比べて、良くも悪くもアップダウンが少ないのが障害者雇用の特徴です。

フリーランスにはない障害者雇用のメリット

障害者雇用メリットは、発達障害をオープンにして配慮をお願いできる点です。

実際は発達障害をカミングアウトした方が、本人も周りの人も仕事がしやすくなります。

  • 発達障害の弱点を誤解されない
  • 苦手を避けてできる仕事に集中できる
  • 働きやすい環境を整えられる
  • 職場に定着できる人が多い

目に見えない発達障害の特性は、心がけの問題や努力不足だと誤解されがち。

発達障害が原因で上手くいかないことでも、周りの人はできない理由が分かりません。

健常者ベースのやり方についていけず、転職を繰り返す発達障害の人は多いはずです。

転職の回数が増えれば、一般枠でも障害者雇用でも再就職のハードルは上がっていくでしょう。 

その点、発達障害をオープンにできる障害者雇用は、そうした誤解と繰り返す転職を防げます。

障害者雇用のデメリット

発達障害への配慮をお願いできる障害者雇用ですが、良いことばかりではありません。 

障害者雇用の主なデメリットは、給料と仕事のやりがいが乏しい点があげられます。

  • 給料が安い
  • 補助的な仕事が多い
  • 地方は求人が少ない

「障害者=単純作業」という見方が、障害者雇用の給料が低めに設定される理由でしょう。

ただ、一口に障害者と言っても、何ができるかは人それぞれ。

とりあえず簡単な仕事を任せて、様子を見る企業も少なくないようです。

また、国が定めた障害者を雇う義務は、大企業の方が責任が重くなる仕組みです

大企業が多い都市部と比べて、中小企業の割合が高い地方では求人数が少なくなってしまいます。

都市部と地方で格差が大きいのも、障害者雇用の課題と言えるでしょう。

発達障害を隠せば一般枠で働ける?

発達障害に配慮してもらえる反面、低賃金の仕事が多い障害者雇用。

一般枠か障害者雇用、どちらを選ぶか悩む発達障害の人は多いはずです。

ただ、同じ発達障害でも、どちらの働き方が向いているかは個人差があります。

発達障害でも一般枠で働けるのは、次の3つの条件を満たした人です。

  1. 発達障害の特性を活かせる仕事がある
  2. 苦手をカバーする対処スキルがある
  3. 発達障害を理解してくれる人がいる

発達障害の人が一般枠で働くには、人一倍の努力と工夫が欠かせません。

また、発達障害の仕事選びは、向いているかどうかの見極めが大切です。

発達障害の得意・不得意は変えられないので、向いていない仕事では結果を出せません。

さらに、発達障害を受け入れてくれる良き理解者のサポートも必要です。

これら3つの条件がそろえば、発達障害の特性を活かした働き方も可能でしょう。

1つでも当てはまらない点があれば、発達障害の人が一般枠で働き続けるのは困難です。

定型発達の人に追い付こうとして、無理な働き方を続ければ二次障害が悪化する可能性大。

発達障害があっても一般枠で働き続けるには、特性を活かした仕事と周囲の理解の両方を満たした場合に限られます。

発達障害者が長く働ける職場を探すには

発達障害があっても長く働きたいなら障害者雇用の方が向いています。

発達障害により困りごとを伝えやすいので、仕事を続きやすいはずです。

一般の求人より数が少ない障害者雇用で就職を決めるなら、チャンスを増やすのが手。

ハローワークと障害者雇用専門の転職エージェントを併用するのがおススメです。

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副業フリーランス+障害者雇用の二刀流がおススメ

給料や仕事のやりがいが薄い障害者雇用、発達障害に向いている仕事があるフリーランス、どちらを選べばいいか迷いますよね。

発達障害の人におススメの働き方は、障害者雇用と副業フリーランスのWワーク。

単純作業中心で給料が安くなりがちな障害者雇用ですが、残業が少ないというメリットもあります。

障害者雇用で決まった収入を確保しながら、定時でサクッと帰って空いた時間にフリーランスの仕事を請け負う働き方です。

フリーランス初めの一歩はクラウドソーシング

 発達障害の特性を活かせる仕事でも、実績がなければ自力で仕事を取るのは不可能に近いでしょう。

また、フリーランスを夢見る初心者には、副業詐欺という罠もあるんです。

副業詐欺の手口や対処法については、次の記事で詳しく説明しています。

【体験談あり】在宅ワークはあやしい?詐欺の手口と発達障害に向いている仕事の探し方

フリーランス初心者は、クラウドソーシングと呼ばれるマッチングサイトを利用した方が安全。

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副業フリーランスの注意点

 自力で仕事を探すよりリスクが低めのクラウドソーシングですが、悪質な依頼者もいます。

話をうのみにしがちで「騙されやすい」と言われる発達障害の人は、特に注意して下さい。

仕事を始める前に、登録したクラウドソーシングの規約を必ず読んでおくのが何より。

規約をしっかり理解することで、悪質クラアントを遠ざけることができます。

副業フリーランスを始めるときの注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。

【体験談あり】クラウドワークスはやばい?悪質案件の見分け方と対処法を解説

 

まとめ

特性を活かせる仕事が多いフリーランスですが、発達障害の苦手も表面化しやすい働き方です。

また、会社に守られないフリーランスは、ケガや病気で働けなくなった時は収入が途絶えるリスクもあります。

不安定な働き方も発達障害に無理解な職場も、二次障害が悪化する可能性が高いのでおススメできません。

発達障害の人が低リスクで始めるなら、副業フリーランスと障害者雇用の二刀流の働き方です。

二つの仕事をこなすのは大変なこともありますが、得られるスキルは2倍。

副業で得たスキルを本業に活かしたり、本業で得た知識やスキルを副業に活かせたりします。

また、どちらかの仕事が行き詰っても、もう一つの仕事で褒められたりすることは多々あります。

失敗しても「もう一つの仕事がある」と思えば、落ち込んだ気持ちを引きずらなくなります。

上手く仕事を両立させれば、気持ちの切り替えが苦手な発達障害の人にとって、心理面でも良い影響を与えたりします。

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